春風に吹かれる敷地内の桜の木に、柔らかな若葉が芽吹く中、始業式、入学式を終え、幼稚部11名、小学部24名、中学部16名、計51名の子どもたちとの令和6年度がスタートしました。
私は、本校の校長として2年目を務めさせていただくこととなりました。昨年度1年間の教育活動の評価・反省に基づき、課題解決に向けてその職責をしっかり果たしてまいりたいとの決意を新たにしたところです。
学校の姿は、そこに集う「人」の姿であると考えます。そこで年度初めの学校経営方針を定めるにあたり、今年度は「目指す子どもの姿」「目指す教師の姿」「目指す学校の姿」を整理し、共有しました。本校において実施するすべての教育活動が、「目指す子どもの姿」の実現に具体的にどのように関連しているのかを、丁寧に確認しながら教育活動を進めてまいりたいと思います。
「目指す子どもの姿」
〇自他を大切にし、助け合う子ども
〇自分の思いや考えを伝え合う子ども
〇気づき、考え、行動する子ども
「目指す教師の姿」
〇子どもに対する愛情と教育への熱意をもつ教師
〇向上心をもち、主体的に教育力向上に努める教師
〇傾聴する姿勢をもち、支え合い協働する教師
「目指す学校の姿」
〇聴覚障がい教育の専門性を継承し、発展する学校
〇一貫した継続性のある指導及び支援をする学校
〇チーム学校として協働する教職員を育成する学校
また、本校は聴覚特別支援学校として、職員の専門性の向上と教育相談をはじめとするセンター的機能の充実に努めてまいります。特に聴覚障がいを有する幼児児童生徒の育成において、言語力・コミュニケーション能力並びに障がい認識の育成は、すべての教育活動の基盤であるとともに目標でもあり、子どもの年齢や発達段階、障がいなどの実態に応じて、継続的かつ系統的に行われなければならないと考えております。
これら学校教育目標の実現のためには、第一に学校が安全・安心な場であること、教育活動を安定して継続させることが基盤となります。手話や指文字を用いた確実なコミュニケーション、ICTの活用や文字情報の提示などによる視覚的な情報保証、緊急対応や危機管理の徹底、また不祥事防止やいじめの防止など、子どもや教職員の人権が守られた環境づくりを推進し、子どもたちが毎日笑顔で登校できるよう努めてまいります。
本校が、子どもたちの笑顔と成長の喜び、教職員の熱意と愛情、保護者や地域、関係の皆様との信頼と協働に満ち、聴覚障がいのある子どもにとって「学びたい学校」、保護者にとって「学ばせたい学校」、地域や関係の方々にとって「あってよかったと思う学校」、そして本校の教職員が「理想の教師像に向かって成長できる学校」であるために、教職員一同、謙虚に学び、前進できるように努めます。どうぞ、本校の教育活動に対しまして、保護者の皆様並びに地域や関係の皆様の、ご理解とご協力、ご支援を賜りますようお願いいたします。
福岡県立久留米聴覚特別支援学校 校長 秋山 洋子