春風に吹かれる敷地内の桜の木に、柔らかな若葉が芽吹く中、始業式、入学式を終え、幼稚部17名、小学部21名、中学部13名、計51名の子どもたちとの令和5年度がスタートしました。
私は、前任の 池添 昌和 校長のご退職後、4月に校長として着任いたしました、秋山 洋子 と申します。どうぞよろしくお願いいたします。平成17年度から長い期間、県立聴覚特別支援学校で教諭、主幹教諭、教頭として勤務させていただきましたので、この度久留米聴覚特別支援学校で勤務させていただきますことを、大変うれしく感じておりますと同時に、その職責をしっかり果たしてまいりたいという決意を新たにしているところです。
さて、本校は、「聴覚障がい者としての自信と誇りをもち、自ら考え判断し、主体的に課題に取り組み行動することができる子ども」の育成と、「挑戦する意欲、規範意識、自己肯定感、社会性、学力・体力の向上」を学校教育目標として掲げています。また、聴覚障がいを有する幼児児童生徒の育成において、言語力・コミュニケーション能力並びに障がい認識の育成は、すべての教育活動の基盤であるとともに目標でもあり、子どもの年齢や発達段階、障がいなどの実態に応じて、継続的かつ系統的に行われなければならないと考えております。
その実現のためには、第一に学校が安全・安心な場であること、教育活動を安定して継続させることが基盤となります。手話や指文字を用いた確実なコミュニケーション、ICTの活用や文字情報の提示などによる視覚的な情報保障、緊急対応や危機管理の徹底、また不祥事やいじめの防止など、子どもや教職員の人権が守られた環境づくりを推進し、子どもたちが毎日笑顔で登校できるよう努めてまいります。
学校の姿は、そこに集う「人」の姿であると考えます。本校の校訓「和」「希望」「自立」は、子どもたちの望ましい学びの姿であると同時に、私たち教職員の行動指針でもあります。本校での「学び」や教育活動をより良いものにし、子どもたちのより良い自立と社会参加を実現するために、子どもたちや教職員、保護者や関係の皆様とともに様々な考えや意見を持ち寄って対話を重ね、その中から、「子どもたちにとって何が大切か」を判断基準に、納得解を導き出す。一度決めたら各自の役割をしっかり果たすとともに、他者を尊重しながら皆でそれを協力して実行する。久留米聴覚特別支援学校はそのような学校でありたいと考えます。
本校が、子どもたちの笑顔と成長の喜び、教職員の熱意と愛情、保護者や地域、関係の皆様との信頼と協働に満ち、聴覚障がいのある子どもにとって「学びたい学校」、保護者にとって「学ばせたい学校」、地域や関係の方々にとって「あってよかったと思う学校」、そして本校の教職員が「理想の教師像に向かって成長できる学校」であるために、教職員一同、謙虚に学び、前進できるように努めます。どうぞ、本校の教育活動に対しまして、保護者の皆様並びに地域や関係の皆様の、ご理解とご協力、ご支援を賜りますようお願いいたします。